去年のことになりますが、アスベスト(石綿)労災で亡くなった方の労災申請の手続きをすることがありました。
アスベストの被害について私は身近なものと思っていませんでしたし、
依頼された方も中皮腫と診断されたとき、それが職業病という認識はあったようでしたが、
直ちに労災申請に結びつくものとは考えていなかったようでした。
そのような経験から、アスベストによる疾病にかかってもそれが直ちに労災請求と結びつかずに放置されている方が、
まだまだいるのではという認識のもとそのような方々のために、
社労士としてもっと発信していかないといけないという使命感を感じ、このブログを書くことにしました。
まず、アスベストというもの、アスベストの有害性が言われてからの対応の経緯など説明したいと思います。
かつて、アスベストは私たちの生活の至るところで使用されていました。
しかし、アスベストは人の健康に被害をもたらす危険性があることから、法律で使用が制限されるようになり、
現在では全面的に使用等は禁止されています。
しかし、アスベストが関与する疾病は長い潜伏期間を経て発症するため、
過去にアスベストを扱う業務に従事していた方は、
現在でもアスベストが原因の疾病を発症するおそれがあります。
ブログでは以下の項目を何回かに分けて、アスベストはいつから使用禁止になったのか、
健康被害を受けた場合はどうすればよいのかについて解説したいと思っています。
1、アスベストはどのような場所で使用されていたのか
(1)アスベストが使用されていた理由
(2)アスベストが使用されていたとされる場所・もの
2、アスベストはいつから使用禁止になった?
(1)昭和50年(1975年)|5重量%を超える石綿の吹き付けを原則禁止
(2)平成7年(1995年)|1重量%を超える石綿の吹き付けを原則禁止
(3)平成16年(2004年)|1重量%を超える石綿含有建材等、10品目の製造等禁止
(4)平成18年(2006年)|0.1重量%を超える石綿含有製品を使用禁止(一部、猶予措置あり)
(5)平成24年(2012年)|0.1重量%を超える石綿含有製品使用禁止の猶予措置撤廃
3、アスベストが原因で発症するとされる疾病
(1)アスベストとの関連性がある疾病
(2)発症するまでの潜伏期間
4、アスベストが原因の疾病を発症した場合の対処法
5、まとめ