『労働保険年度更新申告書の書き方』では、対象労働者の範囲や対象範囲の賃金については詳しく書かれていますが、対象賃金がいつからいつのものかというところについての説明がされていません。それで、疑問をもって質問される方がいますので、期間について説明したいと思います。
確定保険料は「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」の第19条に規定していますが、その保険年度(4月1日から3月31日)に使用するすべての労働者に係る賃金総額が保険料の基礎となります。
末日締めの会社であればその支払日がいつでも4月分の賃金から翌3月分の賃金ということでわかりやすいのですが、締め日が月の途中だと最初と最後は区切りなおして計算しなおさないといけないのかと迷ってしまいますよね。
この場合は、その保険年度内に使用した労働者に支払うことが具体的に確定した賃金と考えます。その保険年度内に現実に支払われていないもの、たとえば、3月中に賃金締切日があるが、4月1日以降に支払われる賃金も含まれます。(昭和24年基災収第5178号が根拠となります。)
ですから、労働保険算定基礎賃金内訳書は賃金締切日を基準に記入します。
月末締め翌月25日払いの会社ですと、2022年4月30日締め、5月25日支払分を最初の4月の欄に記入することになります。
2023年3月31日締め、4月25日支払分が最後の3月の欄になります。
3月末で退職したものの給料も含まれます。
この間の賞与も含まれます。今回は途中で雇用保険の料率改定があったため、支払いが上期(9月まで)か、下期(10月以降)かで欄が上下に分かれていますので注意が必要です。
現在は労働保険の年度更新も電子申請でできるようになっているため、電子申請の説明は詳しいのですが、こういった基礎的なことの説明がないようです。確認して、しっかり覚えるようにしましょう。